野生の鹿肉と猪肉が届いた。どーする調理。翌週は「鯨の皮」というものも届いちゃって。

私は野生動物や野生のキノコが食べられない臆病者

おとーさん
おとーさん

明日鹿肉と猪肉が届くよ

ウキウキの夫に「えええっ?」と思わず返した。

2月の話。
夫の友人が、猟で鹿と猪を仕留めたらお裾分けしてくれるという。
夫は「たんぱく質の摂取ができるし、食費の助けにもなるでしょ。」と喜んでいる。

なぜウキウキなの?誰がそれを?私が?調理?無理無理無理。

私は臆病者である。
子供の頃、テレビで輸入エビから赤痢菌が確認された、というニュースを聞いて以来、大人になるまでエビは食べられなかった。
カキにあたるとか、フグの毒とか、なぜわざわざ危険な物を食するわけ?と思っている。

高校生の時は、「山から取ってきた」というキノコをもらってたらふく食べた「私以外」の家族全員が「食中毒」になって七転八倒したこともある。(運良く私はその場にいなかったので食べなかった)
だからキノコ狩りのキノコは食べない事にしている。
という訳で、野生動植物には滅法臆病な私の前に野生の鹿や猪。トホホ。

野生鳥獣だよね。飼育されてないよね。そしたら寄生虫とかウイルスとか大丈夫なの?解体する時の衛生管理はどうなっとるん?そんな事が気になって怖いのだ。

調理も実際難しい。強い臭い、焼いたらカチカチ。

10年以上前、別の知人から解体したばかりという鹿の毛がたくさんついた鹿肉をもらったことがある。
その時は頂いた以上、私は頑張ってなんとかしようとした。
しかし鹿肉の塊を前にして、まずその生臭さに具合を悪くし、もらった人から作り方を聞いて作った鹿肉のフライは硬く、生臭さが抜けず、ついでに鹿の毛でシンクの生ゴミ受けのザルが一杯になり、数日間水道管から上がってくる臭いに悩まされた記憶が鮮明で、だから

えええっ?無理無理無理。となったのである。

・私がやらないので、夫が包丁を買ってきて処理をした。

ジビエは難しいから私はできないよ。

台所は水道管から臭いがしばらく上がってくるから使いたくないよ。以前大変だったから(覚えていないのか?)。

(”覚えていないのか?”の部分はイライラしたので言いたくなったが、なんとか飲み込んで「大変だったから」までで留めた)

前回とても大変だったことなど全く覚えていない夫は、今回私にこう言われたため、翌日「自分で外の水道で下処理をする」と包丁とまな板とボールを買ってきた。

今回色々と調べると、仕留めた時の処理や保存の仕方によっても生臭さに差が出るらしい。あと、若い鹿の方がクセがないとか。

まだ2月の寒い中、夜遅く届いた鹿肉と猪肉の塊を、夫はヘッドライトランプをつけて外の水道で塩揉みし、筋膜を外して生姜醤油に漬ける、と知人に教えてもらった方法で下処理をした。
生姜醤油が効いたのか、焼いた肉を夫は「そんなに臭いは強くないよ」と言いながらたっぷり「タンパク質摂取」したが、私は前回のトラウマが抜けておらず、今回も食べられなかった。
寄生虫やウイルスが怖いので、しっかりと火を通したら硬くなってしまい(焼くだけは私がやった)、夫は肉を顎の訓練とばかりに必死に噛んで食べていた。

もらった以上無駄にしない。そこは立派だ。

終わってみれば、夫は包丁やらまな板やらボールやらも買ったし、顎の訓練で健康効果も高まる、まああとは「意識」とか?いろんな意味で高いジビエ料理になっていた。

実際に美味しいジビエを実際に食べて見ればその美味しさがわかるかもだが、食べたことはないし、焼くだけで精一杯。もったいないことをしているんだろうなあ。とは思う。

翌週は「鯨の皮」とやらをもらってきた。夫、懲りていない。

今度は会社から「鯨の皮」もらってきた。
これは私も夫も初めて見た。形で言えば台所スポンジだな。これを鯨汁にして、と言うではないか。

作ったよ。鯨汁。全く上手にできなかったよ。
薄くスライスして、熱湯に2〜3回くぐらせ油を抜くということだが、やってもやっても油だった。
味には鈍感・・・否、超寛容な夫にして今回は途中でギブアップだった。

今年は不思議な物が届く。
鹿も猪も鯨も、次回はぜひ「食べるだけ」の状態でいただければ幸いです・・・。