無人島に一つだけ持っていけるなら何を持っていく?

今の私なら「孫の手」を無人島に持って行く

・五十肩必須アイテム「孫の手」

冬。乾燥の季節だ。あちこち痒くて仕方がない。
一昨年までは余裕で手が届いていたので孫の手の出番はなかったのだが、五十肩を患って以来、痛みで背中に手が回らなくなってしまった。
家の中では常に私の隣に孫の手を置いている。夜中、寝ていても急にかゆくなって目が覚めるので枕元にも必ずなくてはならない。

職場で背中がかゆくなった時は厄介だ。
さすがに孫の手は職場には持っていけないし、でも手は届かない。
机やキャビネットの「角」のあるところに背中をこすりつけるという動物や子供だったら許容できそうな「技」も56歳のおばさんは控えるべきだ。
かゆいい〜きいい~と思いながら痒みが去るのをひたすら待っている。
だから、今の私が無人島にたった1つだけ持っていけるとしたら、「孫の手」でしょう。

・「孫の手」は20年位前に熱海の温泉に行った時にお土産物屋さんで購入

500円位だったと思う。
「孫の手」は、木材などの先を指先を少し折り曲げたような形にした40〜50cmぐらいの長さの道具で、背中の手の届かないところをかくための物。
家の近隣で売っている所は見かけないが、観光地のお土産物屋さんには必ずある。
民芸品のような感じで扱われているのだろう。

「孫に背中をかいてもらうように、手が届かない背中をかく道具」だから「孫の手」と呼ぶのだと今の今まで思っていたら、全く違っていて、
中国の「神仙伝」という伝説の中の『鳥のように長い爪を持つ”麻姑(まこ)”』と言う名前の仙女の「麻姑(まこ)」が「」に転じたことからきているんだって。
麻姑(まこ)の長い爪で背中をかいてもらったらさぞ気持ちいいだろうと言ったら叱られた、という話があるそうだ。

試しになんでも売っているアマゾン等のオンラインストアを検索したら、山ほど「孫の手」が出てきた。さすがアマゾンはなんでも売っている。
でもせっかくなら、温泉地等の旅先で、お土産物屋さんで見つけてほしい。
温泉まんじゅうやクッキーなどのお土産もいいが、お土産に「孫の手」というのも案外喜ばれると思うけど?どうだろう。

・かいてばかりいたのであちこち傷だらけ。保湿も大事。

無人島に持っていくものが決まったおかげで「孫の手」の語源も知ることができて満足していたが、冬の乾燥は容赦なく、保湿剤を塗るのを面倒がって孫の手でかいてばかりいたら、体中傷だらけになっていた。お風呂に入るとしみる。
かいてばかりいては痒みが収まるどころか、傷になり、血が出てかさぶたになり、かさぶたがまた痒くなる。
悪循環なので反省してオロナインを塗っている。
しかし手が届く所しか塗れないから、背中には塗れない。結局背中は「孫の手」でじゃりじゃりかいている。たぶん傷だらけ。しかしすっきり。