奈良を紹介したい気持ち満載の運転手さんとの奈良めぐり

・かつて「娘」だった母の『修学旅行を再び巡る』旅。

母、かつて実家に1年間ホームステイしていたマレーシアの友人、私の娘と息子、私の5人で行った先月の奈良旅行は、観光タクシーを利用し名所を回った。
母は高齢で腰が悪く、友人は体重が大幅に増えたため膝が痛み、二人とも階段の登り下りに一苦労だし、長い時間歩けず休み休みだ。電車やバス、徒歩での移動は大変なためである。

母の希望はかつてというか、60年以上前に修学旅行で言った「石舞台」「法隆寺」「東大寺」にもう一度行きたいということだ。
しかし地図を見たらこの3箇所はそれぞれ距離があり、1日で回るとなるととても忙しそう。
奈良県在住の方にしたらちょっとキツくない?となるのだろうか。

予約したタクシーにホテルまで迎えに来てもらい、事前に知らせてあった行き先の確認をしたのだが、運転手さんは
「石舞台と法隆寺と東大寺だけではなく、唐招提寺も良いし、薬師寺も行ける、あそこもあそこも今とても良いですよ。」とたくさん勧めてくれた。
あら結構回れるものなのね。とはなったが、こちらは歩くことに困難がある人を2人抱えているため、色々回るのは難しい。
やはり予定通り「石舞台」「法隆寺」「東大寺」の3か所でお願いした。

運転手さんは「わかりました」と言ってくれたが、一瞬とても残念そうな表情になったので、とても申し訳なくなってしまった。
一方で、この人きっと良い人なんだなぁ。と好感が持てて、安心して道中をお任せすることにした。

・それでも結局駆け抜けた奈良。

運転手さんはそれでもなんとかたくさん見てもらいたい、と思ったのだろう。
朝イチで東大寺の本堂を運転手さんの丁寧な説明付きで見学した後、車に乗ったまま二月堂、三月堂が見えるところまで車を近付けて案内をしてくれた。
車で移動中も窓から見える景色や奈良の歴史についてわかりやすく説明。
石舞台を見た後、予定はしていなかったが飛鳥寺を運転手さんのおすすめで見学。
飛鳥宮跡、飛鳥村のかつての姿が忍ばれる棚田は車の中から見学。

ランチは「飛鳥彩瑠璃の丘 天極堂テラス」というレストランを案内してもらった。
ここの名物は「葛うどん」。たぶん運転手さんはここで「葛うどん」をささっと食べて次の場所へ行きたかったのだろう。
しかし私達はデザートに葛もちとコーヒーを追加で注文し、一時間以上のんびりしてしまったものだから、その後はさらに飛ばして飛ばして超特急の行程になってしまった。

・運転手さんは顔にこそ出さないけれど、法隆寺では相当焦っていたと思うんだ。

法隆寺に着いたとき、友人はついに「足痛い。ギブアップ。ここで待ってる。」となった。お天気も良かったので法隆寺の門の前でのんびり待つことになり、残った4人で中へ。
夢殿の救世観音立像中宮寺の菩薩半跏像は是非とも見て欲しい!と運転手さんに勧めてもらったものの、本堂と大宝蔵院を見終わったところで今度は母の腰が悲鳴をあげ、結局夢殿中宮寺には到達できず、そこで切り上げることに。

残念そうな運転手さんには息子が丁寧に説明し帰途に。
でも帰路の途中も車の中から「あっちが法起寺、あそこに見えるのが”明石家さんま”さんの母校」等と奈良の魅力をたくさん語ってくれた。

宿でまで送ってもらい、運転手さんに「法隆寺や中宮寺を全部お見せすることができなくて」と申し訳なさそうに言われてしまい、イヤイヤこちらの都合なのだからしょうがない。また次の機会を楽しみにします。とお礼を伝えた。

良い運転手さんだった。

・おまけ。心配な友人の体重と食べっぷり。

それにしても友人ったら、法隆寺で私たちを待ってる1時間半の間にカフェに入り「どら焼き」を食べ、その後さらに違うカフェで「ぜんざい」を食べていた。

日本の食べ物は美味しいんだもーん♡

と笑って食べ続けていたが、私はひたすらその体重がのし掛かる膝と身体への負担が心配であった。
帰国したらぜひダイエットしてほしいものだ。