スリランカにて:紅茶と「アリ(蟻)」をたくさん食べちゃったお話

常夏の国。紅茶が名産。

スリランカは『セイロンティーの国』として有名。

あちらで飲む紅茶には『砂糖とミルク』がたくさん入っていて、最初はびっくりするくらい甘かった。

でもとてつもなく美味しかった。

あの味はいまだに自分では再現できないんだよなぁ。

私がスリランカに住んでいたのはもう40年近く前だが、今もテレビで時々紹介されているスリランカは

当時とあまり変わらず、懐かしさ満載になる。

とにかく暑い。だって赤道に近いからね。エアコンなんてないよ。

日中はものすごく暑いけれど、朝晩は涼しかったな。

窓はガラスが入っている所もあれば、ない所もあった。

防犯的には人間が容易く入れない格子みたいな窓にはなっていたけれど、人間以外はわりと侵入可能だな。

この『窓にガラスがない』のが今回のお話のミソ。

パンケーキ、トッピングは「アリ(蟻)」(笑)

お昼ごはんを食べ終わると、暑いからみんな毎日お昼寝をする。

ある日、お昼寝から目が覚めると、枕元のサイドテーブルに

『いつもの甘〜い紅茶と甘いココナッツが入ったパンケーキ』が置いてあった。

ホストマザーが、私が爆睡していたから置いていってくれたのね。

あーお腹すいた。うれしい。

でもパンケーキに何か黒い小さな物体がたくさんトッピングされている。

粉砂糖ではない。白くないもん。

紅茶も表面にゴマのような黒いものがたくさん浮いている。

そしてテーブルから床をつたって窓の方まで黒い線が続いている。

全部アリさん。アリの長い行列。

サイドテーブルの脚をつたって床へ。床から窓に登って外へ。往復しているアリ達を見て、

こういうことよね。

ひぃぃ。茫然自失。

いつから置いてあったんだろ。

ガラスのない窓から容易に到達可能なのだわ。

アリもさ、よく感知するよねえ。

生まれて初めて見た。あんなにアリに覆われたパンケーキ。

食べたよ。だって、お腹すいてたし。

ホストファミリーに見せたけど

「あらら、わはは」

で終わっちゃったし。おおらかっていうかなんていうか。

だってスリランカ。そんなことは当たり前よぉ。

パンケーキのアリのトッピングは取り除いて、紅茶は浮かんでいるのをすくって、

食べたよ。

トンデモナイ所に来てしまった。

神経質、潔癖症だった私だが、ここでそんな事を言っていたら生きていけない。

時々朝食のパンにもアリやなんかわからない虫が入っていたり、

パンの一部分が赤く染まっていたり。(なに?なんだったの?)

しかしそんな事で泣いていたらここでは生きていけない。

しかも、毎朝食べるパンなんて、ホストブラザーがさ、

スリランカのパンは職人の男達が上半身裸で作ってるから、

パンの塩気は職人の汗だからね。

ひいぃ。

怖いことを言うよ。みんな否定しないでまた笑ってるし。

トンデモナイ所に来てしまった。

しかしね、

紅茶に浮いていたアリはよけてはいたが、そのうち何匹かは飲んでしまっても気にならなくなった。

砂糖が入っていた瓶の中には常に数匹入っていたし。

それをよけて使うんだけど、取り切れないからどうしても入ってしまう。

40年前から昆虫食やってたんだもんね。

パンも生きていくためには食べなくてはならない。

毎朝焼きたてを買ってくるので、実はとても美味しい。塩分もちょうどいい(笑)

強くなったよ。

そしておやつの時間は寝ていてはいけないと心に誓ったよ。

スリランカの現在の困難について

私がブログのタイトルを

おかゆnote「あーゆーぼーわん」とし、

「あーゆーぼーわん」とは、スリランカの言葉、シンハラ語で「こんにちは」という意味です。

という記事を初公開した翌日に

スリランカは「国が破産する」という事態になりました。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる観光客の激減も相まって経済が破綻し、国民がデモを行い、大統領が辞任し、何日も並ばないとガソリンが買えない、燃料が不足してパンも作れない、

と混乱に陥り、今も様々な困難が続いています。

そのような中、私がスリランカで過ごした楽しい思い出を語っていいものかと、

この3ヶ月、自問自答していましたが、

結局私には何もできない。でも、

スリランカは素晴らしい国なんだよ。

楽しかった思い出は綴っても良いのではないかと思い、

ようやく書き始めた次第です。時々残していきます。

せっかく私のブログタイトルが「あーゆーぼーわん」なのだからね。

かつて過ごしたあの地が、再び元に戻ることを願って。