ガーデニングを諦めるまで

ガーデニングの夢

「庭は小さいけれど、小さいなりにイングリッシュガーデンの様に色々な花でいっぱいにして、野菜は無農薬で育てて」

 なんて夢を描いた家は、いわゆる「旗竿地」という旗の様な形をした土地。道路に接する面が狭く、奥に行くと我が家が建っています。家自体は南向きですが、南向きのリビングの2メートル先と、西側に家が建っています。北側は道路。東側は月極駐車場。リビング前の真南にある幅約1.5メートル、長さ10メートル程のある細長いかろうじて「庭?」と言える土地は、朝は太陽の光が差し込みますが、10時頃には前の家の陰になり、夕方には西側の家の陰になり西日が少し入る程度。

日光を完全に甘くみていました

さて、当時30代になったばかり、若かった私はお花や野菜に「太陽の光」が大いに必要なことを甘く見ていました。何冊も購入した「初心者向け」ガーデニングの本にはだいたい「日向に植えましょう」なんて書いてあるけど、まあ、暗いわけではないから大丈夫でしょう。

伸びる伸びる。茎が。花は咲かない。野菜も育たない。

茎はどんどん伸びるけど、とにかく花が咲かない。パンジー・ビオラ・マリーゴールド・ひまわり・チューリップ・すすらん・ペチュニア、日日草、ラベンダー。もう覚えていないけれど、他にもたくさん植えていたと思います。

地植えのきゅうりも茎は伸びる。どんどん伸びる。そして病気になる。「うどんこ病」です。葉が次々にやられるので農薬を使うことになってしまった。収穫もやっと数本という悲しさ。トマトもナス似たような生育具合でした。

それでもそれでも、と何年かはプランターに植えて太陽の動きに合わせてプランターを移動する、なんて重労働をしましたが、土は重いよ。何箱も大変。朝から少しづつ東から西へ。日が落ちたら翌日の朝日を当てるために東へ戻す。続きません。

イングリッシュガーデンから日本の裏庭庭園に

5年位は手を変え品を変え頑張りましたが、ええ、もう、あきらめました。今度は「日陰でもきれいに咲く植物」といった類の本を購入。

アジサイ、ギボウシ。これはよかった。花も咲いたよ。アイビーは強い。どんどん広がっていく。は最も元気に繁殖(あはは)。気取って敷き詰めたレンガは今や緑色。実家から来たクリスマスローズ。毎年株が大きく育ちました。母が「魔除けに」と実家のヒイラギを挿し木にして家の西側に植え、家を守ってくれています。

隣の家のおばあちゃんが「あんたんちは日陰だから何にも育たないべ」といっておばあちゃんちの裏庭に繁殖していたシュウカイドウを引っこ抜いてうちにポーンて投げ入れてくれたんだけど、これは増えた増えた。おばあちゃんありがとう。

まあ、だから、つまりイングリッシュガーデンから「日本の裏庭に咲く草花が集まったシェードガーデン風の庭」にいつの間にかなっていったわけでした。

あ、でもね、唯一「日当たりってなに?」といわんばかりに毎年満開の花を咲かせてくれるのはモッコウバラ。咲くのは春の2~3週間ですが、とてもとてもきれいです。

日当たりの良いおうちがうらやましい。今も。少し。

まあでも、ガーデニング関係の書籍はお昼寝用の枕になってくれました。(ぶ厚かったから。高さがよかった)

お野菜は費用、労力、がっかり度を勘案して、買っておいしくいただいています。

2022年7月12日 火曜日 -9ー

2 COMMENTS

アバター こはるおと

失礼します。大変だったのですね…
日当たり、本当に大事なのですね。
私もガーデニングしてますが、プランターを移動させるのを頻繁にするのは本当に大変そうだと思いました。重いですよね;

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おかゆ おかゆ

こはるおとさん
コメントありがとうございます。
日当たりの大切さ、体験してみて初めて知りました。とても勉強になりました。
プランターは重かったです。バーベルを持ち上げるような。トレーニングにはなりそうでしたが、
腰も痛めるなあ、と思い数シーズンでギブアップでした。

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