日本でも現行法律上の婚姻関係が徐々に少数派になっていく可能性

北欧の家族の形は多彩。デンマークでは37種類に分類している。

ずいぶん前から、法律上の婚姻関係、
つまり、入籍をするという形には
とらわれなくていいんじゃないかな、と
子供達には伝えてきている。

デンマークでは、家族の形を37種類に分類している。
例えば
男女の法律婚、同性の法律婚、シングル(女性と子供、男性と子供等)、
非法律婚、実子と同居、実子でない子と同居、等。
子供に関する手当てや保育サービスは家族形態と関係なく受けられる。

まず結婚』、という伝統的な家族の形を主としている日本や韓国は出生率が低く、
出生率が高い国は婚外子割合も高い。
デンマークやフランスの婚外子率は2017年時点で5割を越え、出生率も1.7越えだ。
またほとんどの行政サービスは法律婚と男女の同居を区別せず受けられる。

日本では伝統的な家族観が根強いため多様化が進まず、
広がったのは未婚化と少子化だそうだ。

出典:脱少子化へ家族再定義.日本経済新聞,2022-11-22,朝刊,p.1.

法的な婚姻(しかも男女前提)が出発点であることをやめたらすっきりなのにと、私はかねてから言っている。

あ、子供達にね。

私が結婚するとき、私は物扱いだったのよ。

約30年前、結婚することになり
夫が夫の両親と挨拶に来た時のことだ。

おかゆさんをもらいにきました
夫の母から言われてがく然とし、
客間の外で「私って物なんだ」とつぶやいたら
母親にこっぴどく怒られ、
どうやら結婚というものは個人ではなく、家同士のことであり、
私も半分位はそんなもんかな、と頭ではわかっていたけれど、
(だから挨拶に来たんだし)
現実として認識し「もらわれていく〜」と恐ろしく思ってしまった。

そしたら結婚式ったら、
たのんでもないのに当たり前のように披露宴会場入り口に
『◯◯家』
って書いてあるし、
親族紹介とやらを行い、私だって幼い頃会ったきりの親族を夫側に紹介している。
披露宴では夫も会ったことがない人が
「新郎のお母様には大変お世話になって」と
スピーチをする。

大した家柄でもないのに、
なんで「け」(家)なのさ。と
ウエディングドレスを着てひな壇にいながら、
意識の遠い所にいるもう一人の私が冷めた声でつぶやいていた。

こんな考えをうっかり周囲に漏らすと、
当時は生意気とかわがままとか尖っているとか言われたものだ。

「家」の概念はもっと柔軟でいい。

だから、子供達が結婚したい、誰かといっしょに暮らしたいとして、
それはあくまでも個人の考えで実行してほしいと思うので、

親とか親戚とか、儀式の類いとか
「家」や「法的な婚姻」という概念は考えなくていい。と
言ってきているし、
どうしたいかは自分で決めればいいと思っている。

そして入籍はあまりお勧めしていない。
そのかわりに相続と税負担の面での恩恵はないが、
相続や国という他者を100%当てにするのではなく、
自分の稼ぎで生きていけることを成立していくように伝えている。

ちなみに新聞では伝統的な家族観ゆえに未婚、少子化、と言っているが、
私は
『多様な家族を認める制度にするから未来のために子供産んでちょうだい』
という話をしているのではないから、
そこは誤解がないようにしたい。

若い人達の柔軟な生き方が頼もしい

希望があるとすれば、国や慣習の縛りがあったとしても、
自分達の生き方をしていこう、という人達が
日本でも増えてきてはいると感じることだろうか。
私は負けちゃったけどね。
(頭の中は時代の先端だったのだけど。)

自慢だけど、私の娘は同性パートナーと一緒に暮らしていて、
こういった事も含めて、柔軟な選択や考え方、行動等、
大事な事を教えてもらっていて、
生き方やその選択も素敵だなあ、て思わせてくれているのよ。

そういえばどこかの国会議員が
『夫婦同姓じゃないと家族の一体感を損なう』とか
言っていたけれど、
それならなんでこんなに離婚する人が多いのさ、
てとこに気がついてほしいわね。

そんなに簡単ではない。わかっている。でも、なのである。
だから

法的な婚姻(しかも男女前提)が出発点であることをやめたらもっと楽に考えられるのに


といつも言っているのだけどな。