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「オカアサン」(私の母)に会いにはるばる海外からやってくる。
私が高校生の時、マレーシアからの留学生「チーちゃん」が家に1年間ホームステイをしていた。
37前に来日してから新型コロナウイルス感染症のパンデミック前まで、チーちゃんは、度々日本に帰って来ていたが、
マレーシアや隣国シンガポールに住む彼女の家族、友人もたくさん連れて来る。
もちろん、みんな日本が好き、ということは当然なのだが、とりわけ、私の母
「オカアサン」のことが大好き。
彼女の友だちも彼女の家族も、来日するとわざわざ成田空港から何時間もかけて
「オカアサン」に会いに来る。
オカアサン!ハロー!(英語)
いらっしゃい~(日本語)
みんな「オカアサン」「オカアサン」と慕っている。
「オカアサン」の日本語は世界中に通じる。
「オカアサン」は
ハロー、サンキュー、グッドモーニング、グッドナイト、バイバイ、イエス、ノー、ソーリー
これだけで全てやりきる。乗り切る。取り仕切る。
英語ができない、という事に全く困っていない。というより、
困る、という概念がない?
「オカアサン」は人気者なので、台所で料理をしているとみんなが集まってくる。
大根はね、この位!!!の大きさで
こうしてこう!!!!切って、
出汁は、
味付けは、
火加減は・・・
日本語で次々と説明をしているのだが、みんな「フムフム」とうなずいている。
時々質疑応答をしているのだが、
質問は英語で、答えは日本語だ。あとジェスチャー。
おにぎりはどのくらいの強さでにぎればいいの?(英語)
こう!(日本語)(ジャスチャー)
完璧に分かりあっている。
チーちゃんのママは全く日本語を話せない。でも盛り上がる。
言葉は通じない2人で、おいしーい中華の魚料理を作ってくれた。
(チーちゃん一家は中国系マレーシア人)
双方の間にに全く溝はない。お互い笑顔で会話している。なぜなんだ?
英語と日本語で会話が弾む。
チーちゃん&ファミリーを連れて旅行に行った時、
借りたロッジのソファでゆっくりくつろいでいる「オカアサン」とチーちゃんの両親。
年齢が近いので、会話が弾んでいる。あははは!と笑い声もよく聞こえる。
そこでの会話も
「オカアサン」は日本語とジェスチャー。
「チーちゃんのママとパパ」は英語とジェスチャー。
それで延々と会話が続いて行く。
間が持たない、とか時々沈黙、とか
全くない。なんで話が続くんだろ。
「オカアサン」の偉大さ。
オカアサンは悩むことなく日本語で押し通す。その瞬間的行動能力?が卓越している。躊躇しないのよね。
通じるかな?とか何話そうかな?とかないんだな。
ていうか、そもそも「言語」という概念がないのでは?
ただ思ったことを発声して会話する。それだけか!
そんなんだから、もう何十カ国も旅している。パスポートには出入国のスタンプがびっしり。
今はオーロラが見たいから連れてって、と孫たち(私の子供達)に頼み、こつこつとお金を貯めている。
御年80歳。
いやぁ。敵いませんな。
ところで「Who is YUKO?」ユーコってだれ?
数年前、私たちがマレーシアとシンガポールに住んでいるみんなを訪ねた時、
「オカアサン」のパスポートを見たチーちゃんの妹の驚くべき発言↓
「えっ?Who is YUKO?」ユーコってだれ?
えっ?えっ?オカアサンのこと?????
ユーコってオカアサンの名前なの?
ずっと「オカアサン」て名前だと思っていた。。。。
えっ?そこだけ通じていなかったの?何十年も?
えぇぇぇぇぇ!?!?!?!?
そんなオチもあるんだ・・・。
早くみんなと再会したいな。
2022年9月13日 火曜日 -72-