読みたい本が見つからない時

・読んでいたシリーズ本が完結して、さて、次は何を読もうかな、となってから既に5ヶ月である。

読みたい本が現れない、ということは度々起きる。大抵は面白そうな本が向こうからやって来て、そんなに間が空くこともなかったのだが、今回は長い。

冬の間は寒さのせいなのか、仕事が上手く行かないことが続いたせいなのか、メンタルがなんとなく上向きにならなかった。重いテーマは避けたい。
底辺からの逆転人生で最後はハッピー、っていうのも「いやあ、現実世界はそんなにうまくいかない」という後ろ向きモードのせいか、気が進まない。
恋愛小説は初めからNG。甘い話はもういいや。

熱い話も、きっと「いいえ、そんなにゴリ押しされたら引くって」とか思ってしまうので今一つ乗り気にならない。
タイムスリップして違う世界での云々というファンタジーやSF系も好きだがなぜか読むモードにならん。
哲学的な本を読んで人生を振り返るとか新たな人生を歩むとか、もう年老いて疲れたからそういうのはいーや、好き勝手させてください。となるので情けないが哲学書は遠目に眺めるだけだ。
明るくハレな感じの、楽しい本はないか。

読むべき本はたくさんある。それはわかっている。

書店を覗いたりネットで「オススメの本」と検索して目にする多くの本、、本屋大賞の本、小説からビジネス書、エッセイから漫画、古典ものから哲学、たくさんのオススメ本は「読んでみたいな」とまでは行くのだが、購入または借りるところまで至らない。

先日はたまたま手にした啓発本のようなものの最初の章を読んだあと、「もうわかってるよ」って本を前にしてついつぶやいてしまったら、隣にいた同僚に笑われてしまった。

物を増やさない暮らしを推進しているため、よっぽど読みたい場合を除いて紙の本は買わず、電子書籍を読むようにしていることもあり、「あ。これいいかも」と思った本が電子書籍になっていなくてじゃあいいや、と諦めたものもある。

ファンタジーも児童書も、名だたる作家の名作といわれるもの、哲学書から歴史小説、それから孔子まで読みまくる息子がうらやましい。
ビジネス書や実用書、啓発本を何冊も同時進行で読んでいた娘には羨望の眼差しだよ。
二人共旅行先にも本を必ず持ってきていて、ちょっとした時間に読んでいる。

先日久しぶりに遊びに来たマレーシアの友人も、来日の度必ず本をスーツケースに入れてやってくる。

「歩き読書」しちゃうくらい読書好きの同僚は、ありとあらゆるジャンルの本を読んでいる。良くも悪くもまずは読んでみる、というスタンス。
バス停から歩き読書していたら、夢中になって自宅を通り過ぎてしまった、とかやっているし、職場でも本を読みながら階段を上がってくるからおばさんはハラハラである。
何度「危ない」と注意してもやめない。寸暇を惜しんで読書かあ。ある意味うらやましいが、いつか怪我するよ、と言ってはいるがやめる気配はない。

みんないいなあ、読む本があって、と思っているうちに、冬が終わって春になってしまった。

さて、どうすっかねえ。