受動喫煙の肺がんリスクはどのくらい?ヘビースモーカーの父と暮らした母の場合

81歳、母の肺は全く健康で問題ないそうだ

私の父は肺がんのため、1989年、平成元年になったばかりの頃、47歳で他界している。
超ヘビースモーカーでハイライトというタバコを1日に何箱も吸い、家の壁のクロスも天井もヤニで黄ばんでしまうほどだった。
ちなみに父は虫歯になったことがなく、これはタバコのヤニのおかげ、と自慢していた。
当時の私は信じていたが、真意は定かではない。

父は寝室でもタバコを吸っていたので、部屋中モヤがかかったみたいに白い。
しかも、夏以外は窓やふすまを開けることは許されなかった。
今では考えられないような生活だ。

車もタバコを吸いながら運転する。もちろん窓を開けることは許されない。
開けると怒られた。モクモクした中で母も私も弟も過ごしていた。
受動喫煙なんて言葉もなかった昭和の話だ。

小学生の頃、よくハイライトを1カートン(10箱入り)を買うためにお使いに行っていた。今なら絶対小学生にタバコを売ることはできないのに、そんな良き?時代だった。

そんな父は、46歳の時、咳が止まらないという自覚症状があったにも関わらず病院が嫌いで行かなかった。

半年後、いよいよ咳がひどくなり呼吸も苦しく、どうにもならなくなってようやく行った病院で、撮ったレントゲンの画像に映った肺は真っ白だったそうだ。
そのまま入院したが手遅れで手術もできず、7ヶ月 後に亡くなってしまった。

もう40年近く前の話だが、書きたかったのは父の事ではなく、母の事である。

父と母が結婚して父が亡くなるまで約25年間、初めにも書いた通り、寝室はタバコの煙で真っ白。煙で焙られた燻製状態で母は寝ていたのに、肺に関しては今も全く異常がない81歳なのだ。

母を見ていると、受動喫煙による肺がんのリスクは1.28倍と言われていたとしても、ホントなの?とつい思ってしまう。
喫煙や受動喫煙の是非ということではなく、とにかく母の肺ってどうなってるんだろ?と時々思うのだ。

そういえば、母は「更年期なんてなかった、更年期って何?」と、堂々と言ってしまうツワモノである。

汗はたくさんかくが、当人はそれが更年期の症状だと思っていなくて、自分は汗っかき、と言っていたし、更年期の症状で体調が悪いとは聞いたことがなかった。
いつでも全力で元気。だから「肺がんって何?受動喫煙ってなんの事?」と言っている間に肺がんの方が退散してしまったのだろうか。

母は、常に何事にも抗うことなく、昔の事をあれこれ悔やむこともなく、未来のことを心配し過ぎることもなく、いつも「今」をあっけらかんとして生きているように見える。
本人に言えば「そんなことない。私だって色々悩んでいる」と怒られるが、それだって、いつまでもくよくよとしていないところがミソなのだと思う。

とにかく元気でなにより。